劇的な能登一人旅(その弐) | Mineraな日々

劇的な能登一人旅(その弐)

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     【洗面所で顔を洗います】                【朝食は囲炉裏前です】


12月2日の朝も不安定な空模様です。朝から晴れたり雷になったり・・・。

でもそれが能登の天気とのこと。


枯れ紅葉を見ながら顔を洗い、これまた美味しい朝ご飯を囲炉裏の前で一人で食します。

揚げたてのがんもどきが最高です。

いつになくゆっくりとかみしめながら外を眺めながらの食事です。



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     【薪焚き場で灰集めです】              【粗い篩いで簡単に篩います】


今日は予定がばたばたしてます。

午前中に茶室の炉用としての灰をさか本さから頂くことになっているので

お風呂の釜炊き場で灰をかき集めます。

細かいゴミなどがあるので篩いにかけて移し替えます。

灰を普通に手に入れることは現代ではなかなか難しく、

茶道具屋さんでお金を払わないと購入できない代物です。


それにしてもさか本さんの灰はいい灰です。

今月末の峰羅庵の茶室開きに間に合いそうです。


そんなこんやで10時過ぎになってしまいました。




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     【くうーちゃん大好きです】                   【猫みたいです】


おばあさんのくうーちゃんは本当に静かです。

一回もほえたところを見たことがありません!

はたからみたら猫みたいで、ポコニャンなんかよりとてもおとなしくて

こんなかわいいわんかちゃんだったら飼ってもいいかなあと。

たいちゃんはこんなかわいいくうーちゃんをいじめているので叱ってあげます。



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    【幻想的なゲストハウス】                【さか本裏の竹林で竹切です】


湖畔のゲストハウスは朝靄の中非常に幻想的です。

今度は竹入用の竹採取のためにさか本さんの裏手に回ります。

このために登山靴やレインコートを持ってきました。

いつもお風呂からみている裏手には初めて入りますが、ここはタケノコも採れてなんとも風情があります。

いい感じの竹を見つけて、鋸で切る時間がなくなってしまったので明日に回します。

お昼前になったのでいよいよ織陶苑 典座(てんぞ)さんに向かいます。


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 【織陶苑さんでの茶室でのお食事】            【なんと珠洲焼の長板総荘り】


こちらもいつも伺っている所なのですが、

珠洲焼の窯元で伏見窯という名前であります。

今年の春にご主人に珠洲焼の水指を依頼して、素晴らしいできばえで送られてきたのでまずそのお礼を。

そして、一緒に送って頂いた貴重な珠洲の土で私が苦心して造った素焼きの茶碗を渡して

窯に入れて頂くとなりました。車で来たのはこの理由もありました。

この珠洲土は本当に難しい土で、従来に赤土、白土に比べて非常にぱさぱさした感じで粘りけがありません。

いつものように広げていくと、すぐにぴりぴりとヒビがはいってしまいます。


ご主人とお話をしたあとは奥様がお料理をつくっている典座さんでお食事です。

なんと今回は茶室の部屋に通されました。そして目の前には火が入った釜と珠洲焼の長板総荘りです!!

触ってくださいといわんばかりで、食事よりもこちらの道具に目がいってしまい、

お点前の練習をしていると、ご主人から、

「隣に5人ほどご婦人のお客様がいらっしゃるので、食事の後にお点前していただけたら~」と

こんな機会はめったに無いことです。

「いえいえ」と謙遜しながらも最後には「やらせてくださいませ」と。

このような場でお点前をすることは自分にとってもかならず勉強となり糧となるであろうと。


普通の服ではありますが、帛紗をおかりしたのですが、ご主人のお父様は石州流でなんと帛紗のたたみ方が

全然違うので、裏千家用の帛紗を急遽用意して頂きました。




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   【本当に突然のお点前です】               【お父様は石州流でのお点前】

そして、5名のご婦人方は入ってこられました。

皆さん突然の事で喜んでいらっしゃいます。

口を揃えて「一期一会」と・・・。私も「これもご縁でございます」と・・・。


薄茶の長板総荘りのお点前を行いましたが、最近お稽古をしていたので

詰まることもなくスムーズに行えました。

ご主人のお母様は裏千家の方ですが、お褒めの言葉を頂き本当に嬉しかったです。

最後に石州流のお父様からお礼のお点前をして頂きました。

初めて石州流のお点前を拝見させて頂きましたが、帛紗の扱いなどが全く違いびっくりしました。

以前、武者小路千家のお点前を拝見してびっくりしたのですが、

他の流派を見るということはある意味勉強になるかもしれません。


この場での突然の出来事は、多分一生忘れることはないかと思います・・・。


そして、帰り際にご主人から、「アルバイト料」ということで私が正客様用に選んだ珠洲焼に萩釉をかけた

みたこともない珠洲焼の茶碗を頂きました!!

私が一目惚れで決めてしまったお茶碗はご主人が以前造られたお茶碗でした。

これはなんともいえない由緒となりそうです。





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      【廃線になった珠洲駅】                【正福寺で夜にお茶のお稽古】


さか本さんで茶箱点前の為に帰る際に、廃線となった珠洲駅に寄ってきました。

駅舎は珠洲の物産売店となっていました。
やはり廃線となってしまった能登鉄道は寂しいものです。


そして、昨日の夕食でお会いしたお寺に寄ってきました。

実はお会いした女性の方ははなんと裏千家の先生で、今日の夜19時からお稽古を

このお寺で行うようなのです。

夜になると、この付近は真っ暗になってしまうので

明るいうちに場所を確認するために偵察に行ってきました。お寺の名前は正福寺さんで

しだれ桜が有名なようで、相当大きいお寺でした。

さか本さんで夕食を食べてからまた来ることとしました。



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   【ゲストハウスでの茶箱茶会】             【侘助君も茶道をやってほしいな】


さか本に戻って、早速ゲストハウスで茶箱茶会です。

床は石ですが、床暖房なのでとても暖かいです。

裸足で全く問題ないくらいなのです。

石を畳にたとえて、ちょうど小間ぐらいに大きさなので外の景色を借景として

茶箱 雪点前を行いました。

車で来たのはもちろん茶箱を持参するためで、神楽坂の先生からお借りした春慶の茶箱です。


侘助君も興味津々です。



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      【ご主人と侘助君】                   【家宝となる珠洲 茶碗】


侘助君は点てたお抹茶を美味しいと言ってくれました。

私が子どもの頃は抹茶なんて苦くて飲めなかった思いがあるので本当に嬉しい限りです。

いつもご主人が侘助君にお抹茶を点てているらしいです。


無事茶会が終了し、母屋に戻るとご主人からなんとプレゼントがありました!

お礼ということでなんとご主人が師事している珠洲焼の陶芸家の方が造った珠洲焼茶碗を頂きました。

またまた大変貴重な珠洲焼のお茶碗を頂いて、これは自分にとって家宝となるでしょう。



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     【正福寺さんでのお稽古】               【茶箱を用意して頂きました】


さか本さんではお酒を飲まないで、またまた美味しい夕食を頂いて

例の正福寺に19時過ぎに車で向かいます。さか本さんから20分ほどです。

外はなにか雪交じりになってきて、今日の夜には雪でも降るかもしれません。


お寺に行くと、先生がすでに5名の女性の方にお稽古をされていました。

はじめて、野々田式の切り替え機能付き電熱炉を拝見させて頂きました。


皆さんは壽棚での薄茶点前です。

私も最後に同じお点前ができれば幸いかと思っていたのですが、

私が昨日、茶箱点前の緑色の教本を置いていたのを発見し、是非見てみたいという話になったのです。

先生はしばらく茶箱点前をされていないようでした。

先生はちゃんと茶箱を用意してくれました。

せっかくの心遣いを無駄にしてしまってはいけないので、昼間と同じように茶箱 雪点前を行いました。

お稽古が終わったのは22時くらいでした。

車でさか本に戻って、お風呂に入って明日も早いのでそのまま寝てしまいました。


それにしてもさか本2日目は本当に充実、かつ思い出に残る一日となりました。

やはり、さか本さんでは2泊するべきで、1泊では本当にもったいないです。


是非、今後とも2泊を遂行したいと思います。


3日目はいよいよ能登からおさらばで、群馬の沢渡温泉に来るまで7時間かけて向かいます。

さか本さんでの仕事はまだ、竹切りが残っているので、明日は6時に起きて

朝食前に竹切りを行いたいと思います。


外は本当に冷えています・・・・。