峰羅庵 茶席披き無事終了 | Mineraな日々

峰羅庵 茶席披き無事終了


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                                 【つるばみ屋の黄身しぐれ「花果山」】


本日目まぐるしい天候の中、無事茶席披きが滞りなく終了致しました。

総勢20名ほどのご来庵でしたが、皆様のご尽力により素晴らしい茶会となりました。


上記の写真ですが、今回の目玉であった主菓子です。

中野「つるばみ屋」の黄身しぐれですが、

実は、通っている江古田陶房のアシスタントの陶芸家の卵の方の手作りです!

何度も試作を行って、このような素晴らしい黄身しぐれが完成致しました。

今回のテーマに沿ったお菓子なので非常に重要なファクターでした。



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                                       【準備完了です】


日曜は朝から土砂降りです。私の日頃の行いが悪いのか本当に困ったもので、

皆様はさすがに洋服でこられると思っていました。

10時前に下火をおこし始めましたが、少し早かったような感じでした。

下火を入れて助炭を乗せてひとまず準備は完了です。


11時皆様ご来庵です。なんとかなりの方がお着物です。

この雨の足下の悪い中本当に恐れ入ります。



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     【緊張の初炭手前です】                    【香合の拝見】


この雨なので、席入はアルミ躙扉ではなくて、茶道口からとなりました。貴人口として代替えです。

それにしても小間に20人ほどが入ってしまいました。先生の的確な誘導できっちり座る事ができました。

これにはびっくりでした。私は当初は立ち見で水屋からものぞいて頂こうかと。


皆様の視線を浴びながらの初炭は緊張しました。

朝から体調が芳しくなく、一体何を話しているのかわからない状態でした。


掛軸は「松樹千年翠」で茶席披きには適しているかと。

香合は備前 おたふく。

香ですが、今回は実は先月に自分で乳鉢で調合して作りました。

香銘は「亀鳴く」でした。この亀鳴くは春の季語で、隠語に「笑い」があります。

おたふくとかけた感じとしました。


炭はぱちぱちと音をたててくれてました。

安心して根津の懐石料理店へ急ぎます。

松花堂弁当でしたが、かなりボリュームもありおなか一杯でした。

午後の濃茶席2席もあるのに、お酒を進められてしまい顔が赤くなってしまいました。





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       【後座の準備】                      【猫柳と羽衣椿】

 

一足お先に帰り、後座の準備です。

掛け軸を巻き上げ、部屋の照明をインバーターで明るくして、茶入をかざり、炭を確認して

昨日銀座で1時間以上かけて選んだ、猫柳(ポコニャンのしっぽ)と羽衣椿です。

花入は自作で「御神渡り」としました。一本切れ目と入れて、諏訪湖の御神渡りをなぞらえました。

皆様のご尽力か雨があがってきたので、躙扉は使えそうで、

ステンレス製踏み台をふきふきして、草履を準備致しました。


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       【自作茶入と寿棚】                    【緊張の一瞬です】


先ほどのつるばみ屋さんの黄身しぐれを縁高で運び、皆様美味しくいただけたようです。

ここからが本番ですが、やはり濃茶は席がしまります。

自作の勢高茶入と嶋台と清光造の真形釜はそれなりに調和していたのかなあと。


2席に分けて8名ずつお席に入って頂きましたが、

峰羅庵において、これほどの視線を受けての席は初めてであり、

今日がれっきとして茶席披きとなりました。

やはり先生並びに社中の皆様に見届けて頂けたことが一番嬉しい限りです。



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     【濃茶が練り終わりました】                 【連客総礼です】


上林の翔雲で重ね茶碗で練りますが、緊張致しました。

やはり濃茶は練って練って練って修行をしなくてはいけないのですね。

ここで8名全員で総礼です。なんとも気持ちのいい瞬間でした。感激でした。

「おふく加減は?」「結構でございます」を聞いて、2碗目銀盃で濃茶を点てていきます。


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    【急遽、雪だるま蓋置も登場】                 【会記を拝見中】


最後に拝見を出しましたが、先生がかわいい蓋置も付けてください!

なんとも嬉しい限りで、雪だるま二閑人を仕覆の横に置いてみました。

今日は奥多摩では雪が降っているようでした。東京でも雪がふらないでしょうか~。


ここで筆で書いた会記を皆様に拝見して頂きました。

乱筆ではございましたが、見ていただけて光栄です。


この後問答でしたが、

茶杓はかつて先輩からいただいた先輩自作の煤竹茶杓で

銘は「卒啄の機」と致しました。

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卒啄の機  (そったくのき)
師弟の出逢いの絶妙なタイミング

才能の花開こうとする弟子と、それを見抜いて引き上げる師。城氏と部下、母と子、
両者の高まりがあった時に出遭ってこそすべてがうまくいきます。
この絶妙のタイミングを得ることを「そつたくの機」といいます。早過ぎず、遅すぎ
ず、その機を逃さず出遭う好機。それにはこれを見逃さない目と行動力がなければな
りません。自分の都合だけではなく、相手の動きや成長の真実を見抜くことを持つこ
とが大切です。両者の呼吸が奇蹟を呼びます。
人は「そったくの機」に出逢ってこそ花を咲かせます。

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この茶室が出来たときに、「なぜここに茶室が出来たのか?」と瞑想していると

やはりそれは6年前の2月9日にネットから神楽坂の教室に見学に行き、先生と出会ったことがすべてだと。

これは「卒啄の機」なのかなあと。

また、その男性の先輩にも相当影響を受けて、

かなり茶道への考え方が変わったのです。

その方の茶道への心意気がものすごく好きで、男性でもこれほど情熱を注ぐ方がいるのだなあと。

なので、その先輩に出会ったことも「卒啄の機」なのかと。


今後もこの「卒啄の機」に出会うようにしていかなくてはと。


なんとか1席目は無事終了致しました。



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    【念願のアルミ躙扉にて席入】             【黄身しぐれを頂きます】


2席目はあえて、社中の方のみの席と致しました。

先生がいらっしゃらなくても席をなんとか遂行することはできるのか?

そんな試みが2席目でした。

正客様にすべてがかかっているのですが、私が信頼しています先輩にお願い致しました。

美味しく黄身しぐれをたべます。銘は孫悟空の「花果山」と名付けました。

卵が割れる・・・。「卒啄の機」の伏線でもありました。雪ダルマもその伏線でした。


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会記を出して様々な問答が交わされ、嬉しい限りでした。

それなりの緊張感の中で、社中の皆様のみでの席はなんとも有意義で、

この頃になると朝の体調の悪さはどこかに消えてしまい、

逆にすがすがし気分となっていました。



茶席披き16 【まだまだ雛です・・・】


最後に皆様と家の前で記念写真をとり、夕焼けを身ながらご帰宅となりました。

本日は本当に心に染みるような茶席披きが滞りなく終了し感激しております。

やはり皆様のご尽力でこのような会がひらくことができたのです。

1ヶ月前からお手伝いして頂いた先輩方には頭が上がりません。

この茶席披きの準備は2ヶ月ほどかかりましたが、

いろいろと頭の中で構想を練っていくのは本当に楽しかったです。

この過程が好きなのかなあと。

茶のもてなしが楽しいものと再認識致しました。


この峰羅庵は構想2年ぐらいでしたが、思った以上に素晴らしい茶室となり

私の財産となりました。

昨年末にも考えていたのですが、やはり今後の時間の割き方は

「茶」がメインとなりそうです。「山」は茶に付随することで踏み込む程度になると思います。


とにかく、まだこの茶室に自分自身が追いついていないのが現実です。

早く追いつくように日々精進していかなくてはいけません。

そう、まだ卵のなかの雛なのです。

茶の道は果てしなく長いようです。



茶席披きが無事終了し、ほっとしておりますが、

3月は奥伝の大円草の特別稽古もありますし、

4月には真の真台子もあります!

また峰羅庵では3月末に吊り釜と旅箪笥で通っている江古田陶房の先生方をご招待する予定です。

今後はこれらに頭と切り替えたいと思います。


今日は気分転換に、寿棚をしまい

かねてから気になっていた三木町棚を出して

抽斗をゆっくりとひいてみました。

んー素敵です。